ウヰスキー巡禮記

ウイスキーに纏わる様々なことを、書き綴っていきます。

サントリーワールドウイスキー碧Ao

本日4月16日(火)発売開始となったサントリーワールドウイスキー碧Ao。

f:id:whisky_pilgrimage:20190416230942j:plain

碧Ao(サントリー碧Aoブランドサイトより引用)

www.suntory.co.jp

”世界5大ウイスキー”とされるのが、スコッチ(スコットランド)・アイリッシュアイルランド)・アメリカン(アメリカ)・カナディアン(カナダ)・ジャパニーズ(日本)。誰が呼んだかは、この際置いておきます。

 

ご存知のようにサントリーは、2014年にビーム社を買収しビームサントリー社を立ち上げたことで、世界5大ウイスキーの生産地全てに蒸留所を持つ唯一のメジャーとなりました。

DCLをルーツを持つディアジオも、シーグラムやアライドをルーツに持つペルノリカールもジャパニーズを持っていないからです。

もっとも、今後世界の品評会でインドや台湾といった国々のスピリッツが栄誉に輝くようなことがあれば、5大ウイスキーの定義が変わるかもしれません。

 

発売日に、早速バーで飲む機会を得ました。

f:id:whisky_pilgrimage:20190416234743j:plain

サントリーワールドウイスキー碧Ao

まずはボトルから。

正面から見ると、筆書きの「Ao」という文字と、碧色のラベルが目を引きます。

裏側は、張り出した部分が面どりされ、上から見ると(写真はないですが)5大ウイスキーを表す五角形となっています。形から入ってます。

 

味わいですが。。。

料飲店関係者や著名ブロガーのみなさんは、事前に開催されたテイスティングセミナーに招かれていたようですが、「うまい!」という声はあまり聞こえず「不思議な」といったワーディングで語られることが多かった「碧Ao」。

 

香りは、正直わかりません。わかりにくいように設定されているのでしょうか。不思議です。80年代風に言うと「コスモポリタン薫る」とでもいうのでしょうか。高いレベルでブレンドされ、非常にバランスのとれた香り、としておきましょう。

 

飲んでみると、これまたわかりません。本当に”不思議”なのです。

多くの方が書いてらっしゃるのであえてどこの蒸留所の、とは述べませんが、最初のパレットでは若干のスモーキーネスがアードモア由来なのかな?柔らかさがクーリーやアルバータ由来なのかな?といったところ。悪く言えば香味を感じにくかった、良く言えばどれか一つを際立たせることなく”ウイスキー”という飲み物、そのものを表すような味わいというのが正直な感想です。

 

ただしばらく置くと、溶剤っぽさが立ち上ってきます。そう、ジムビームです。ところで山崎のシェリーは?どこ?素人にはほのかに感じる香味まで嗅ぎ分けられないのが悔しいところ。

うがった見方をすれば、ブランド力の相対的に低いアルバータやクーリーの原酒を多くして、標準的なプラント稼働を目指したのではないかとも思います。

 

価格帯としては希望小売価格5000円と、角瓶の3倍以上。山崎のNASより高い。ジョニ黒の2倍。

話題作りに非常に長けており、日本市場では強固な営業力を持つサントリーだけに、話題性とマーケティングの力で、ある程度は売ることができると思います。

どこに焦点をあてて、どのターゲットに対して売っていくのか。

日本のウイスキー好きという限られたマーケットでは、一度飲んでみて、どの原酒をつかっているのかなぁと香味を探ってみる楽しみはあると思います。しかし、こだわりを持っている人が継続して飲んでいくという印象は受けません。

日本では、ライト層へ高級感をベースにして、如何に浸透させられるかが勝負でしょう。響や山崎の納品が難しいスナック向けなどは、いい線行くかもしれません。そのためのストーリー作りには余念がないと思われ。

一方で、世界ではどうなのか、これも見どころかと。

 

話題性だけではない、第2第3の仕掛けが生まれてくることを楽しみにしています。

 

なんとか日付が変わる前に脱稿できそうです。